プロセスおよび医療用電源用途例
産業用電源向けソリューション
産業用電源および医療用電源の多様な用途と回路構成は、パワー半導体に対し、耐圧、順電流やスイッチング特性に関する非常に特殊な要求があります。
詳細情報
誘導加熱(IH)
融解、焼き入れ、焼きなまし、焼き戻し、はんだ付け、鋳造、蒸着や半導体製造などのプロセスのための誘導加熱は、約1kW-20MWの出力、異なる電圧でのパルス周波数100Hz-3MHzの周波数の電源が必要です。
プラズマコーティング
用途に応じて、プラズマコーティング用電源は、直流電流または数10kHzまでのパルス電流を使用します。出力電圧は300Vから数kV、出力レベルは1kWから数百kWです。主な用途は太陽電池、建築用ガラスや金属などの表面コーティングです。
レーザー技術
レーザー技術において、レーザーの種類と性能によって電源に対する要求内容が決まります。例えば、レーザーダイオードを制御する電流源は、周波数200kHzから1MHzで、30 V、50Aの性能が必要です。
医療診断システム
MRI、CTやX線などの最先端の医療診断システムには多くのエネルギーを必要とします。特に、パワー半導体の信頼性とスイッチング特性に厳しい要求があります。例えば、CT装置で必要な120kⅤの高電圧は、700Vから800Vの直流電源から100kHzでスイッチングする共振インバータで作られます。スイッチング周波数が高くなると診断性能が向上し、同時に装置の重量と大きさは減少します。
アーク溶接と抵抗溶接の回路構成
以下に、アーク溶接と抵抗溶接用の電源の標準的な回路構成を示し、パワートランジスタ、サイリスタとダイオードに対しての重要な要件について説明します。
電気溶接
電気溶接は、低い出力電圧で非常に大きな高い直流電流が求められる電源技術で、パワー半導体の昔からの応用分野です。溶接のプロセスにより、残留リップルや溶接電流の制御精度の要求が異なり、パワー半導体への要求性能が変わります。大抵の場合、溶接は高出力電流を伴う繰り返し動作となるため、パワー半導体の負荷サイクル寿命に対しての要求が厳しくなります。
アーク溶接用電源
アーク溶接用電源の最も簡単な回路構成は、 単相または三相のトランスと出力にチョークコイルを接続した単相または三相の整流器で構成されています。 サイリスタを使用した整流器かACスイッチを整流器の前に追加すれば、電流制御が可能になります。制御動特性と電流リップルは、ライン周波数によって決まります。
別の回路構成を適用することで溶接機電源の効率を改善し、小さく軽く、さらに溶接性能の向上が可能になります。ディスクリートまたはパワーモジュールのIGBTやパワーMOSFETによって電流値を制御することで、高い負荷サイクルと低損失という要求を実現できます。10kHzから100kHzのスイッチング周波数動作により冷却系の構造の簡素化が可能です。溶接インバータは、230Vまたは400Vの系統電源からDCバス電圧回路を介して溶接電流に変換します。