電力品質用途例

高信頼性の電源向けソリューション

高信頼性の電源は、電気エネルギーの供給・回収・消費に関する高い要件が規定されています。これは、以下の用語「電力品質」に要約できます。重要な用途例として、再生可能エネルギーで発電した電力を、規則に準拠し安定してグリッドに供給すること、エネルギーの回収時に電力ラインの歪みを制限すること、停電時に利用者を停電から保護することが言えます。 セミクロンはこれらの要求を満たし、高信頼性でコスト効率が良く用途に適したパワーモジュールをラインアップしています。

ラインフィルターと変圧器の寸法、重量、コストを低減し、電源線伝導妨害を最小限にするため、可能な限り高い周波数での動作が必要となります。NPCおよびTNPC回路構成の3レベルIGBTモジュールを使うと、高い周波数での動作を比較的低いスイッチング損失で実現できます。セミクロンでは、SKiM®、SEMITRANS®、MiniSKiiP®、SEMITOP®の製品群の幅広い出力容量で3レベルIGBTモジュールをラインアップしています。

アクティブフィルターのブロック図

アクティブフィルター(電力品質管理)

産業施設や鉄道網では特に、ライン電圧の品質に対する電力会社の要求のためにIGBTモジュールを用いたアクティブフィルターを使用しています。この技術は1kVAからコンバータを並列接続した数MWまでの幅広い出力範囲で使われています。アクティブフィルターは、負荷によって発生する高調波と無効電力を補償するため、電力ラインの電圧、周波数、位相に応じて電療を流す制御電源です。その回路構成は、DCバスはインバータでフィルターを介して電力ラインに接続されています。

常に電力ラインの実電流値と消費電力から決まる値を比較し、DCリンクコンデンサからインバータを介して各波形ごとに電流を電力ラインに供給します。制御の精度を上げるためには、高い周波数を使用する必要があります。

電気エネルギー貯蔵システムの蓄電容量と放電時間

蓄電

「蓄電」の用途は、多岐にわたっています。

  • 停電時のバックアップとしてのUPS装置(無停電電源装置)
  • グリッドの障害時に電力不足分を短期的に補うために、風力発電や太陽光発電からの電気エネルギーを短期間蓄電
  • 供給制限のある電力ラインや予測不可能で不安定な発電機をグリッドに接続するための大規模で長期間対応の蓄電

蓄電容量や放電時間に応じて、電気エネルギーの蓄電システムは、直接蓄電(バッテリーやコンデンサ、超電導コイルへの貯蔵)、機械エネルギーで貯蔵(フライホイール電力貯蔵、ポンプ貯蔵、圧縮空気貯蔵)または、電気分解により生成した水素を貯蔵する方法があります。

現在最も普及しているのはUPSで使われている、鉛電池、NaS電池、レドックス・フロー電池やリチウム電池によるバッテリー蓄電システムです。

3レベルインバータのNPCおよびTNPC回路構成

UPS

1kWから1MWの容量の家庭用・産業用のUPSシステムは、IGBTインバータ(通常三相)、DC/ACコンバータとその他の機能により構成されています。現在、UPS用のさまざまな回路構成のインバータが市販されています。3レベルの回路構成は、UPSのセールスポイントである高効率を実現できるため重要性が増しています。出力電圧として3つの電位間でスイッチングするため、3レベルの回路構成はラインの高調波を低減でき、フィルターを小さくすることができます。